大麻福岡1

大麻福岡1

福岡地方裁判所平成15年(わ)第111号,同第225号

主文
被告人を懲役1年8か月に処する。
未決勾留日数中150日をその刑に算入する。
押収してある大麻2袋,チャック付ポリ袋入り覚せい剤2袋及びMDMA15錠を没収する。

理由
(罪となるべき事実)
 
被告人は,
第1 Aらが,みだりに,大麻,覚せい剤及び麻薬を本邦に輸入しようと企てた際,大麻のみを本邦に輸入するとの認識をもってこれに加担することを決意し,同人らと共謀の上,平成14年12月24日(現地年月日),スイス連邦内において,氏名不詳者をして,大麻210.7グラム,覚せい剤であるフエニルアミノプロパンの硫酸塩の粉末19.7グラム及び麻薬であるN・α―ジメチル―3・4―(メチレンジオキシ)フェネチルアミン(別名MDMA)の塩酸塩を含有する錠剤19錠在中の航空小包郵便物1個を同国内の郵便局から宮崎市a町b番地c所在のマンション甲d号のB方あてに発送し,同月28日午前8時52分ころ,スイスインターナショナルエアラインズ168便で千葉県成田市三里塚字御料牧場1番地の1所在の新東京国際空港に到着させた上,情を知らない同空港関係者をして,同航空機からこれを取り降ろさせて本邦内に持ち込み,もって大麻を本邦に輸入するとともに,引き続いて上記大麻,覚せい剤及び麻薬を福岡市博多区博多駅中央街8番1号所在の博多郵便局に搬入させ,同月30日午後零時ころ,同郵便局特殊郵便課国際郵便係通関検査室において,通関検査を受けるに際し,関税定率法上の輸入禁制品である上記大麻,覚せい剤及び麻薬を隠匿したままこれを輸入しようとしたが,博多税関支署係官に発見されたため,その目的を遂げなかった
第2 法定の除外事由がないのに,平成15年1月9日ころ,宮崎市e町fg番地h所在のマンション乙A棟i号の被告人方において,覚せい剤であるフエニルアミノプロパンの塩類若干量をビールとともに飲用し,もって覚せい剤を使用した
第3 同年1月10日,前記被告人方において,覚せい剤であるフエニルアミノプロパンの硫酸塩を含有する結晶0.85グラムを,みだりに所持した
ものである。
(証拠の標目)〈略〉
(判示第1の事実認定の補足説明)
第1 公訴事実の要旨及び争点
1 判示第1の事実にかかる公訴事実(ただし,訴因変更後のもの)の要旨は,「被告人は,Aらと共謀の上,氏名不詳者をして,大麻,覚せい剤及び麻薬在中の航空小包郵便物1個(以下「本件小包」という。)をスイス連邦内の郵便局から発送し,平成14年12月28日午前8時52分ころ,みだりに,本件小包を本邦内に持ち込んで上記各薬物を輸入するとともに,同月30日午後零時ころ,本件小包の通関検査を受けて本邦の通関線を突破しようとしたが,博多税関支署係官に発見されたため,輸入禁制品たる上記各薬物輸入の目的を遂げなかった。」というものであり,検察官は,被告人が,大麻取締法,覚せい剤取締法及び麻薬及び向精神薬取締法上の各輸入罪並びに関税法上の輸入禁制品輸入未遂罪を犯したとして起訴したものである。
2 弁護人及び被告人は,公訴事実はそのとおり間違いない旨陳述している一方で,被告人は,公判廷において,上記公訴事実に関し,本件小包の中に大麻が入っているとの認識はあったが,覚せい剤及び麻薬(以下,「MDMA」という。)については,それらが入っているかどうか考えたこともなかった旨繰り返し述べて,結局覚せい剤及びMDMAの輸入についての故意がなかったと解釈し得る供述をしている。
3 そこで,覚せい剤及びMDMAの輸入についての被告人の故意の存否及びその罪責について,以下検討する。
第2 証拠上明らかな事実
 
関係各証拠によれば以下の各事実が認められ,これらの事実関係については概ね当事者間に争いがない。
1 被告人とAとの関係
(1)平成14年6月ころ,被告人は,宮崎市内にある暴力団組織の組員とトラブルを起こしていたが,そのころ,同市内で彫り師をしていたAが間に立ったことから,同組員と話が付き,それまでのように同組織から隠れることなく,安心して生活できるようになった。
(2)このころより,被告人は,宮崎市内において,Aの下で彫り師として稼働するようになり,Aのことを「A先生」と呼んで,Aの自宅にも頻繁に遊びに行くようになった。

 Aは,一般客向けに入れ墨を入れる仕事を仕事場で行っていた他,暴力団組員の入れ墨を彫る仕事も自宅で行っていた。
(3)平成14年7月ころより,被告人は,Aが勧めるままに大麻を使用するようになって,Aより大麻を貰い受けては,1週間に1回から3回くらいの頻度でこれを吸引使用していた。
(4)平成14年の6月か7月ころ,被告人は,Aより,「非合法ドラッグ」と題する書籍を借り受けた。同書籍には,覚せい剤やMDMAの相場や,輸入による入手方法などについて若干の記載がある。
 
なお,同書籍は,平成15年1月10日,被告人方より押収された。
2 外形的な事実経過
(1)平成14年10月初旬ころ,Aは,被告人に対し,彫り師の勉強をするため海外に行く旨を伝え,海外から小包を送るのでこれを受け取るよう頼んだ。
 
その後,Aは,海外より被告人に架電し,10月の末ころに架空の宛名で小包が届く旨を伝えた。
(2)同年10月30日,被告人方に外国から架空名義人宛の小包が届いた(以下,これを「前件小包」という。)。
(3)同年11月7日ころ,被告人は,前件小包をA方へ持参し,これをAに交付した。Aは,被告人の目の前で,前件小包を開封した。
 
その後,被告人は,Aから,前件小包に入っていたという大麻を3回ほど受け取って,これを吸引使用した。
(4)同年12月中旬ころ,被告人は,Aより,再度外国から小包が送られてくるので,受取人を捜すよう依頼された。
(5)同月25日ころ,被告人は,親しい友人であったBに対して,中身について説明することなく,小包の受取りを頼んで承諾を得,Aに対してBの住所を教えた。
 
その後,被告人は,Aより,外国から届く小包は2つである旨知らされた。
(6)同月24日(現地年月日),判示のとおり,スイス連邦ローザンヌ郵便局から,航空小包郵便物として,「MIKIO TANAKA」を名宛人とする本件小包が,B方住所宛に発送され,同月28日午前8時52分ころ,航空機で新東京国際空港に到着して本邦内に持ち込まれて輸入され,引き続いて博多郵便局に搬入された。
(7)同月30日,博多郵便局特殊郵便課国際郵便係通関検査室において本件小包の通関検査が実施された。
 
その結果,本件小包内には,リングプル式の上蓋が付き,在中品は食品であることを装った缶詰2つが,チョコレート菓子やキャンディなどの食品と共に梱包されていて,上記缶詰の1つには,乾燥大麻植物片が隙間なく圧縮されて詰め込まれ,その底蓋部分に透明チャック付ポリ袋入り覚せい剤(フエニルアミノプロパンの硫酸塩),及び,銀色アルミホイルに包まれたMDMAの白色円形錠剤10錠が入れられていること,また,もう1つの上記缶詰には,乾燥大麻植物片が同様に隙間なく圧縮されて詰め込まれ,その上部に銀色アルミホイルに包まれたMDMAの白色円形錠剤9錠が入れられていることが発見され,もって,判示のとおりの大麻,覚せい剤及びMDMAが,海外から本邦内に輸入されてきたことが認められた。
(8)一方,同月31日には,B方に,海外から発送されたと思われる本件小包とは別の小包が届いた(以下,これを「別件小包」という。)。
 
同日,Bは,被告人に架電して,頼まれていた小包が届いた旨を伝えた。すると被告人は,Bに対して,その日は別件小包を取りに行けないことを伝え,別件小包を絶対に開けることのないよう要求した。
(9)平成15年1月2日,被告人は,Bに架電して,もう1つ小包(本件小包)が届く予定であることを伝え,その小包が届くまで別件小包も預かっていて欲しい旨要求した。

(10)同月5日,被告人は,Bより別件小包を受け取り,これをAに届けた。
(11)同月8日ころ,被告人は,Aより,ポリ袋に入った白色微粉状の結晶2袋を渡された。
(12)同月9日ころ,被告人は,渡された2袋のうち,量の少ない方の白色微粉状の結晶1袋分を,オブラートにくるんでビールと共に飲用した。
(13)同月10日,被告人は,前記第1の公訴事実の容疑(ただし,関税法違反の点は除く)で,通常逮捕された。
(14)同日,被告人方で実施された捜索差押えにより,前記(11)の経過で被告人がAから受領したポリ袋入り白色微粉状の結晶1袋が発見され,同月14日から29日までの間に実施された鑑定によって,同結晶は,判示第3のフエニルアミノプロパンの硫酸塩を含有する覚せい剤0.85グラムであることが判明した(甲22)。
 
また,同月11日,被告人が任意提出した尿中には,同月14日から29日までの間に実施された鑑定によって,フエニルアミノプロパンが含有されていることが判明した(甲26)。
第3 争点判断の前提となる重要な間接事実
 
次に,覚せい剤及びMDMA輸入に関する被告人の故意の存否を判断するに際し,重要な間接事実となる以下の点を検討する。
1 前件小包の開披状況とその内容物に関する被告人の認識
(1)被告人は,Aの依頼に基づき,平成14年10月30日に自分が受領した海外からの前件小包を,同年11月7日ころA方に持参し,開披した際の状況について,要旨次のとおり供述する。
ア 前件小包をAに交付し,Aの部屋に入ると,Aは「小包の中身を見せてやろうか。」と言って,前件小包を開披した。
 
前件小包の中には,青っぽいラベルの缶詰二,三個と共に,スナック菓子,チョコレート菓子,紅茶の袋等,数点がバラバラに入っていた。
イ Aは,前件小包の中に入っていた缶詰の1つを手に取り,リングプルを引き上げて上蓋を開けると,中身のにおいを嗅いでいた。
 
Aが缶詰を開けると同時に,私がいつもAから貰っていた大麻のにおいがしたが,それはいつもの大麻より強烈なにおいだった。缶詰の中に茶色っぽい深緑の大麻がぎっしりと入っているのが見えた。
ウ 私が,缶詰を開けたAに,「くさいっすね。」と言うと,Aは,私に,「これが海外の葉っぱよ。」「ちょっとそこのボールとフォークを取ってくれ。」と言ってきた。
 
私がボールとフォークを渡すと,Aは,そのフォークを使ってボールに缶詰の中の大麻を掻き出していた。大麻は缶詰の中にぎっしり詰まっていたようで,Aはかなり力を入れて中の大麻を取り出していた。ようやく大麻をボールに取り出したが,まだ圧縮されたように固まっていたので,Aは,フォークで大麻をほぐしていた。
エ このとき,Aが私の目の前で開けた缶詰は,1つだけだった。
オ 私は,Aに,「奥さん,外で待たしてるから,帰ります。」などと言うと,Aは,「このお菓子食べていいよ。」と言ってきたので,前記のチョコレートなどを受け取り,A方を出て自宅に帰った。
(2)上記被告人の供述は,その内容が,捜査当初から公判段階までほぼ一貫しており,明確かつ具体的で,特にAがリングプルを引いて缶詰を開けると,大麻の強烈なにおいがしたところや,たくさん詰まった大麻を取り出すために,これをフォークでボールに掻き出し,さらに固まっていた大麻をほぐした状況など,実に迫真性のある表現が含まれている上,菓子類と共に入っていたリングプル式の缶詰内に,大麻がぎっしり詰められている様子などは,その後に送られてきた本件小包の内容物や,肝心の大麻入り缶詰の形状とも一致するところであって十分な信憑性が認められ,その説明する事実経過にも格別不自然な点は見受けられず,Aの供述(甲31,35,37)とも概ね事実関係が合致しているところであるから,この点に関する被告人供述には十分な信用性があるということができる。
(3)そして,かかる被告人供述によれば,被告人は,Aから受取りを依頼された前件小包が開披された際,その中に大麻のぎっしり詰まった缶詰が少なくとも1つは入っていたことを確認し,現にAが海外から大麻を輸入している事実を了知したが,他方,前件小包内に,覚せい剤やMDMAを始めとする大麻以外の違法薬物が入っているのを現認したとか,それらが入っている可能性を認識したというような事情は何ら認めることができない。
2 Aからの本件小包受取人探しの依頼状況
(1)被告人は,本件小包の受取人を探すよう依頼された時の状況について,Aからは,「また外国からはっぱを送ってもらうから,誰か受取人を捜してくれないか。」と言われたこと,小包の送付先は,2度続けて同じ場所にするのを避けて,被告人方以外の場所にするのが良いとし,受取人は信用できる人物を選ぶよう要求されたこと,しかしこのときに,本件小包に覚せい剤やMDMAが入っていることは聞かされていないことを供述する。
(2)上記被告人の供述は,捜査段階から公判段階まで一貫しており,公判立会検察官からの重ねての追及にもまったく崩れていない。その上,被告人は,公判廷において,公訴事実については争わず,大麻と比較して相当重い刑罰が定められている覚せい剤の輸入罪やMDMAの輸入罪についても,その全部の責任を問われても仕方がないとした上で,かかる供述を維持しているのであるから,本件犯行に至る経緯や事実関係について,自己の刑責を軽減したいがためにことさら虚偽の供述をしているとは考え難い。また,この点に関して,Aの供述調書(甲32,36,37)には,事情を何も話さず,被告人に対して,「何処か荷物の送り先はないかな。」と言うと,被告人は,その事情も聞かず直ぐに「探しましょうか。」と言ってくれた旨の記載があるが,これは,上記の「はっぱを送ってもらう。」と言われた程度だとする被告人供述と必ずしも完全に符合するものではないが,送られるものが大麻以外のものではないという意味では整合しているともみられる内容であるし,前示のとおりの被告人とAとの関係に照らしても,仕事上の弟子に当たる被告人が,Aに気を遣って詳しい事情を聞くことなく,これを引受けたということを格別不自然とまではいえない。
 
よって,この点に関する被告人供述が信用できないとまではいえないところである。
(3)なお,この点,検察官は,Aの警察官調書(甲32)に,Aは今まで一度として大麻のことを「はっぱ」などと表現したことはなく,以前から「ボン」と言って話をしていた旨の記載があることから,Aから「はっぱを送ってもらう。」とだけ言われたとする被告人供述は信用できないとする。
 
しかしながら,「はっぱ」は大麻に対する一般的な隠語である上,被告人は,公判廷において,被告人自身は大麻のことを「はっぱ」というが,Aはこれを「はっぱ」とも「ボン」とも言う旨供述しており(第4回公判調書中の被告人供述調書93項),そもそも被告人が,Aとの会話内容を再現してみせた場面で,「はっぱ」という表現と,同じく大麻の隠語である「ボン」という表現との相違を,明確に意識し,区別して使用したとは考え難い。とすれば,被告人が,Aの発言として「はっぱを送ってもらう」旨聞いたと説明したことの一事をもって,その際の会話内容が信用できないと断ずることはできない。
(4)結局,上記の被告人供述によれば,Aから,海外から送られてくる本件小包の受取人を探すよう依頼され,これを承諾した時の被告人は,その在中品について,「また外国からはっぱを送ってもらう。」という程度のことしか聞かされていなかったと認めるほかはなく,それ以上に,Aから,大麻以外の,覚せい剤,麻薬その他の違法薬物も送られてくることを具体的に想起させるような事情を聞いたと認定するに足りる証拠はないものといわざるを得ない。
第4 捜査段階における被告人の自白とその信用性
1 捜査段階における被告人の自白
 
ところで被告人は,その捜査段階における平成15年1月30日付け検察官調書(乙19)及び同日付け警察官調書(乙18)において,Aから本件小包の受取人探しを依頼された際に,もしかしたら大麻以外にも,何か違法な薬物が送られてくるのかもしれないと思った旨述べて,違法薬物輸入に関する概括的故意があったことを認める供述をしているので,かかる自白の信用性について検討する。
2 自白に至る被告人供述の変遷とその理由
(1)被告人は,平成15年1月10日,前記公訴事実の容疑(ただし,関税法違反の点は除く)で,通常逮捕され,同月12日に勾留されて,延長後の勾留満期日である同月31日付けで起訴されている。
 
その捜査段階における取調べにおいて,被告人は,本件小包輸入に関する自己の認識につき,勾留後の同月13日から同月17日までは,ほぼ一貫して,「大麻が入った外国からの郵便小包を受け取ろうとしたことに間違いありません。」と述べるなどして,違法な大麻が入っていることを知りながら,外国からの郵便小包を受け取ろうとしたことは間違いない旨の供述をしていた(乙2~7,9)。
 
それが,同月19日から同月30日までの間には,「大麻などが入った外国からの郵便小包を受け取ろうとしたことに間違いありません。」と,微妙に表現内容の異なる各警察官調書が作成されるようになり(乙10~17),その一方で,同月16日には,Aから覚せい剤の疑いのある白い粉を受け取ったことがきっかけで,前件小包にも同様の覚せい剤が入っていたのではないかと疑い,その後Aから,前件小包と同じ物が送られてくると聞いたので,本件小包でも大麻や覚せい剤が送られてくるのだろうと思った旨供述したり(乙8),同月23日(乙13)や同月29日(乙16)には,B方に届けられて,同月5日に被告人がA方まで運んだ別件小包の中にも,被告人がAから受け取った覚せい剤のような白い粉が入っていたのではないかと思うと述べ,これに加えて同月29日(乙16)には,本件小包中に,覚せい剤やMDMAが入っていても不思議ではないと思う旨供述するようになっている。
 
そして,被告人は,起訴直前となる同月30日付けの前記検察官調書(乙19)及び警察官調書(乙18)に至って初めて,前記のとおり,大麻以外の違法薬物に対する概括的故意の存在を認める供述をしたものである。
 
かかる捜査段階の自白に至る経過を見ると,その供述には,明らかな変遷があると認められる。
(2)そして,前記同月30日付け警察官調書(乙18)では,この時点で初めて概括的故意の存在を認める供述をした理由について,これまでは自分自身の中でも,はっきりと大麻以外の薬物が送られてくるという確信がなかったので話さなかったが,警察の留置場でゆっくりと当時の心境を思い出し,話したものである旨説明する。
 
しかし,平成14年12月中旬ころに,Aから本件小包の受取人探しを依頼された当時の自らの心境について,「はっきりと大麻以外の薬物が送られてくるとの確信がなかった」という意味が,当時の自己の認識を単によく覚えていないということなのか,あるいは当時の自分の認識自体が,曖昧模糊とした判然としないものであったという意味なのか,これまた必ずしも明らかではないところ,いずれにしても,そのような理由で平成15年1月10日の逮捕以来,同月29日までの20日の間認めることのなかった,大麻以外の違法薬物輸入に関する概括的故意の点を,21日目にして正確に「当時の心境を思い出」すことができ,これを話すつもりになった,ということ自体に,いわば突然の自白,といった違和感をぬぐえない。
 
また,かかる自白の内容を見ても,被告人は同月30日付け警察官調書(乙18)においては,問答形式によって,具体的に薬物をイメージした訳ではなく,ただ大麻以外の違法な薬物が送られてくるかもしれないと思ったに過ぎないと供述していたのであるが,他方,同じ日に作成された検察官調書(乙19)においては,覚せい剤やMDMAなども大麻と一緒に送らせて輸入するのではないかという気持ちはあったと供述していて,具体的に薬物をイメージしたとしているのであって、矛盾した供述をしていることが指摘できるところであり,このように概括的故意の内容自体について,同じ日に矛盾,変遷した供述をしていることに照らしても,被告人が,当時の心境をそのまま正確に思い出して供述できたとは考え難い。
 
むしろ,前記の供述変遷経過と前示第2に挙げた証拠上明らかな事実とを照らし合わせると,被告人は,逮捕勾留の当初こそは,自分はあくまでも大麻を輸入するものだと思ってAの依頼を承諾したという気持ちが強く,これをそのまま供述していたけれども,現実には平成15年1月8日ころの時点でAから白い粉を受領して,一部を飲用したり所持したりしていたところ,その白い粉は覚せい剤であったということが捜査の過程で明らかとなり,同月16日付け警察官調書(乙8)にあるとおり,被告人自身も当初からこの白い粉を覚せい剤ではないかと疑った経緯があったというのであれば,その疑いがまさに実証された形となって表れたということができ,前後関係からしてその覚せい剤は,本件小包と2個組で発送されたと思われる海外からの別件小包内に入っていた可能性が高いと考えられ,しかも客観的に本件小包内に大麻以外にも覚せい剤やMDMAが入っていたことは争いようがなく,被告人自身,もとより大麻を輸入することは認識,認容していたが,つまるところ,大麻自体も違法な薬物であることに変わりはない,といった事情が認められるのであり,おそらくは取調官から,これらの客観的事実経過を指摘された上で,覚せい剤やMDMAといった大麻以外の違法薬物が送られてくる可能性を,本当に認識していなかったのかと追及されたであろう被告人が,Aから白い粉を受け取った時(平成15年1月8日ころ)に自ら感じたそれが覚せい剤ではないかという疑念(乙8)や,その覚せい剤は別件小包の中に入っていたのだろうという推測(乙13,16),それゆえに本件小包の中にも,このような大麻以外の違法薬物が入っていても不思議ではないという感想(乙8,16)などとあいまって,最終的には,本件小包の受取人探しを依頼された平成14年12月中旬ころの自分自身の心理としても,最初からそんなことは分かっていたはずではないか,といういささか理に走った結論として固まって,上記の同月30日付け検察官調書(乙19)及び警察官調書(乙18)の供述につながったのではないか,という疑問が生ずるのを禁じ得ない。 
 
そもそも被告人は,公判廷においてすら,前記のとおり公訴事実は間違いない旨陳述すると共に,覚せい剤が送られてくることが100パーセントないかどうかと問われれば,当時の認識はどうだったか,と尋ねる弁護人の質問に対しては,100パーセントの確信はなかった旨回答する(第3回公判調書中の被告人供述調書10項)などして,概括的故意の存在を認めた上記自白内容を維持するかの如き供述をする一方で,自分としては本件小包内には大麻が入っていると思っており,覚せい剤やMDMA等が入っているとは考えたこともない等と,それ自体が相矛盾することとなる供述を繰り返しているのであり,自分自身の心情,認識に関する事柄とはいえ,過去の一時点を振り返って,当時の自分が,大麻以外の違法薬物が入っている可能性を意識していたか否かといった概括的故意の存否を,率直かつ的確に表現することは,相当難しいものであることを示している。
 
結局,前記検察官調書(乙19),警察官調書(乙18)の記載が,本当にAから本件小包の受取人探しを依頼された当時の,被告人自身の心境や認識を思い出し,何の予断も理屈付けもなく,素直にこれを供述した結果であるといえるのかについては,慎重な判断を要するものというべきである。
3 自白内容自体の合理性等
(1)次に,同月30日付けの前記検察官調書(乙19)及び警察官調書(乙18)の自白内容の合理性について検討するに,被告人は,各調書中で,自分が本件小包内に,大麻以外の違法薬物が入っているかもしれないと思った理由について,平成14年6月か7月ころに,Aから「非合法ドラッグ」というタイトルの本を借りたことがあり,その本の中に違法な薬物のことが色々と載っていたので,こんな本を持っているAは,大麻以外の違法薬物にも興味を持っているのかな,と思ったし,それで本件小包の受取人を探すよう頼まれた際にも,Aは,大麻以外にも,覚せい剤やMDMAなどの違法な薬物を一緒に送らせて輸入するつもりではないか,という気持ちを持ったのである旨説明する。
(2)しかしながら,前示第2のとおり,被告人がAから「非合法ドラッグ」という本を平成14年6月か7月ころに借り受けていたという事実は認められるものの,その後の約半年の間に,被告人とAとの間で,この本に関し何らかのやりとりがなされたことを認めるに足りる証拠はないのであって,単にAがかかる本を所持しているのを知ったという事実のみから,被告人が,Aは大麻以外にも覚せい剤やMDMAその他の違法薬物全般に対して特別な興味があるのだろうという認識を持ったということ自体,いささか奇異な感を与えるのは否めない。しかも被告人は,前記各調書と同じ日付の同月30日付けで作成された警察官調書(乙17)の中では,「非合法ドラッグ」という本について,平成14年6月か7月ころにAから借りたが,そのまま借りていることも忘れて自分が持っていたものであり,自分では二,三頁位しか読んでおらず,中身で覚えているのは,ディスコクラブなどで不正な薬物が出回っていることが書いてあったという程度であるなどと説明しているのであるから,この本を読んだことで,Aが違法薬物全般に対する興味を持っているのだろうと考えたという前記の説明自体と,そぐわないものがあるというべきである。
(3)また,たとえAについて,真実被告人がそのような印象を抱いたのだとしても,所詮は漠然とした感想やイメージに過ぎない事柄であり,その後の被告人は,現にAが,大麻を吸ったり,所持したりしていたことは十分理解していたものの,それ以外の覚せい剤やMDMAその他の違法薬物まで使用ないし所持しているところを,見聞きしたと認めるに足りる証拠はない。とすれば,Aから,本件小包の受取人探しを依頼されたその時点で,被告人が,半年も前に借り受けたままだった「非合法ドラッグ」という本のことや,そこから得たAに対する印象のことを突然に思い出して,Aが,大麻以外の違法薬物をも輸入するつもりなのかもしれないという具体的,現実的な認識を持つに至ったということは,余りに飛躍した発想ではないかと思われ,容易には信用しがたい。

4 判断
 
以上の点を総合考慮すると,捜査段階における前記平成15年1月30日付けの検察官調書(乙19)及び警察官調書(乙18)における被告人の自白は,容易に信用することができないというべきである。
第5 他の証拠から推認される被告人の故意の存否
1 そこで次に,上記捜査段階の自白を除いた他の証拠によって,被告人の故意を認定できるかについて検討するに,前示第2,第3で認定したとおり,被告人は,平成14年7月ころより,Aが勧めるままに大麻を使用するようになり,以後,A自身も大麻を使用し又は所持しているのを見聞きしていたこと,Aから頼まれて同年10月ころに外国から受け取った前件小包内にも,現に大麻が入っているのを確認していること,同年12月中旬に,再びAから,外国から送られてくる荷物の受取人を探すよう依頼され,これを承諾した時には,「また外国からはっぱを送ってもらう。」等と説明されたものであること,本件小包と2個組で送付されたと思われる別件小包については,被告人はその中身を確認しておらず,被告人が客観的には覚せい剤であった白い粉をAから受け取ったのも,既に本件小包が輸入された後である平成15年1月8日ころであることが認められ,それ以前の段階で,Aが,覚せい剤,MDMAその他の大麻以外の違法薬物を現に所持し又は使用しているのを,被告人が見聞きしたことを認めるに足りる証拠はないばかりか,被告人とAとの間で,大麻以外の違法薬物のことが話題になったことを窺わせるだけの証拠も見出すことができない。
 
これら外形的事実によれば,被告人がAから,本件小包の受取人探しを依頼された時点では,「また外国からはっぱを送ってもらう。」というAの言葉を額面どおりに受け止めて,前件小包同様,大麻が送られてくるのだろうという認識を持って,これを承諾したと考えるのが,最も自然かつ合理的な解釈である。検察官が主張するように,Aが,暴力団組員とのもめ事を解決してくれたり,暴力団員の入れ墨も彫っているなど,暴力団組織と交流のある人物であることや,「非合法ドラッグ」という違法薬物一般について触れた本を所持していることを,被告人が知っていたという事実を併せ考えても,だからといって,これらの事情から,被告人が,具体的に本件小包の受取人探しを引受けるにあたり,その中には,大麻以外にも覚せい剤やMDMAなど,何らかの違法薬物が入っているかもしれないという認識を抱いたものと推認することはできないというべきである。
2 なお,被告人は,前記のとおり,公判廷においても,公訴事実は間違いない旨述べると共に,本件小包で覚せい剤が送られてくることが100パーセントないと確信していたかと問われれば,その確信はなかった等として,違法薬物全般に対する概括的故意があったことを認めるかの如き供述をするのであるが,その一方で繰り返し,Aからは「はっぱを送ってもらう。」ということしか聞いておらず,それ以外のことは何も考えなかったと供述しているのも前述のとおりであり,これは覚せい剤及びMDMAを始めとする違法薬物の輸入に関する故意の存在を否認するものにほかならない。
 
そして,かかる公判廷での一見して相矛盾した供述は,決して虚偽の事実を述べようとしたための論理的破綻と見るべきものではなく,Aから本件小包の受取人探しを依頼された際の自分自身の認識と,その法的な評価とを,被告人自身が誤解しているからにほかならないと解される。むしろ,公判廷においては一貫してその責任を認める旨の供述をしている被告人が,自己の刑責を軽減するためにあえて虚偽を述べるとは考え難く,本件小包内には大麻が入っているものと思っており,その他の違法薬物が入っているかどうかということは,ことさら考えたこともなかったというその供述は,当時の自らの心情を素直に述べたものとして,信用性を否定しがたいところというべきである。
第6 総括
1 覚せい剤及びMDMAの輸入に関する認識の存否
 
以上より,大麻以外の違法薬物の輸入についての概括的故意を認めた被告人の捜査段階の自白は容易に信用することができず,証拠上に表れたその余の事実関係に照らしても,Aから本件小包の受取人探しを依頼された際の被告人が,大麻以外の違法薬物が送られてくるとの認識を有していたと認めるに足りる証拠はないといわざるを得ない。
2 覚せい剤及び麻薬輸入罪の成否
 
よって,覚せい剤取締法上の覚せい剤の輸入罪並びに麻薬及び向精神薬取締法上の麻薬たるMDMAの輸入罪については,被告人にその故意はないというべきであるから,その罪責を問うことはできず(刑法38条2項),無罪であるというほかはない。
3 輸入禁制品輸入未遂罪の成否
 
しかしながら,覚せい剤及びMDMAは,大麻同様,いずれも関税法にいう輸入禁制品輸入罪(関税法109条1項)における輸入禁制品に該当する(関税定率法21条1項1号)。そして,前記のとおり,被告人は,少なくとも本件小包内に輸入禁制品たる大麻が入っていることは当初より認識していたのであるから,たとえ被告人に覚せい剤及びMDMAの輸入に対する認識が認められないとしても,大麻の輸入に対する認識が認められる以上,これは同じ構成要件内での事実の錯誤(併発的事実の錯誤)が生じているに過ぎず,その構成要件的故意が阻却されることはないというべきである。
 
よって,前示のとおり,被告人と共謀したAらによって,大麻,覚せい剤及びMDMAをその内部に隠匿した本件小包が,スイス連邦から航空便で本邦に向け発送され,新東京国際空港を経由して博多郵便局に搬入されて,通関検査で発見された事実が認められる以上,被告人には,覚せい剤及びMDMAをも含めた輸入禁制品全体につき,関税法上の輸入未遂罪が成立するというべきである。
4 結語
 
以上の次第であるから,被告人には,前示の公訴事実のうち,大麻取締法上の大麻の輸入罪及び関税法上の輸入禁制品たる大麻,覚せい剤及びMDMAの輸入未遂罪の各罪が成立し,覚せい剤取締法上の覚せい剤の輸入罪並びに麻薬及び向精神薬取締法上の麻薬たるMDMAの輸入罪については無罪であるが,これらの罪は科刑上一罪の関係にあるから,主文においてその無罪を宣告することはせず,判示第1のとおりの事実を認定したものである。
(判示第2,第3の事実認定の補足説明)
1 前示第2のとおり,被告人が平成15年1月9日ころに覚せい剤である白い粉を飲用して使用し,また同月10日,その残りの覚せい剤である白い粉を所持していたことは優に認められるところ,被告人は,公判廷においては,自分が飲用し,あるいは所持していた白い粉を,平成15年1月8日ころにAから受け取った際,これは覚せい剤ではないなどと言われたので,その白い粉が覚せい剤だとは思わなかった旨供述して,判示第2,第3の公訴事実である覚せい剤の使用及び所持についての故意を否認する。
2 しかしながら,被告人は,捜査段階から一貫して,覚せい剤の形状については以前にテレビで見たことがあり,Aから渡された白い粉を見て,覚せい剤ではないかと疑ったので,Aにその旨質問したと供述している。そしてAは,その質問に対して,笑いながら風邪薬だと言ってみたり,実際のところはA自身もよく分からないが,覚せい剤ではない,試しにオブラートにくるんで飲んでみてほしい等と述べたというのである。このように,その形状からして覚せい剤であることが十分疑われる薬物について,何の根拠も示すことなく,また実際には何の薬であるかA自身も分からないというのに,ただ覚せい剤ではない旨説明されたというだけで,被告人が何の不審の念も持つことなく,かかるAの言葉を受け入れて,その白い粉は覚せい剤かもしれないという疑念を完全に捨て去ったというのは直ちに措信し難い。被告人自身,その捜査段階における供述では,覚せい剤ではないというAの説明を聞いても,なお納得できず,それが覚せい剤かもしれないという気持ちは消えなかった旨自認しているところである。少なくとも,被告人はそれまでにも,違法薬物である大麻をAからもらったり,共に使用したという経験を有し,Aが違法薬物を扱う人間であることは十分理解していたのであるし,譲り受けた白い粉の形状自体や,譲り受けの際の上記Aとの会話内容を考えると,当時の被告人には,その白い粉が覚せい剤かもしれないという可能性も含めて,それが何らかの違法薬物であるという認識は,十分あったものというべきである。
3 よって,被告人には,判示第2,第3の覚せい剤の使用及び所持行為について,十分その故意があったと認めることができ,同各罪が成立することは優にこれを認定することができる。
(法令の適用)
罰条
 
第1の行為中
  
大麻を輸入した点      刑法60条,大麻取締法24条1項
  
輸入禁制品である大麻,覚せい剤及び麻薬の輸入未遂の点
                
刑法60条,関税法109条3項,1項,関税
                 
定率法21条1項1号
 
第2の行為          覚せい剤取締法41条の3第1項1号,19条
 
第3の行為          覚せい剤取締法41条の2第1項
科刑上一罪の処理
 
第1             刑法54条1項前段,10条(1罪として重い大麻取締法違反の罪の刑で処断)
併合罪の処理       刑法45条前段,47条本文,10条(刑及び犯情の最も重い第3の罪の刑に法定の加重)
未決勾留日数の算入       刑法21条
没収
 
大麻2袋について
                
大麻取締法24条の5第1項本文及び関税法118条1項本文(第1の大麻取締法違反及び関税法違反の各罪に係る大麻で,犯人が所持し,犯人以外の者の所有に係らないもの)
 
チャック付ポリ袋入り覚せい剤1袋及びMDMA15錠について
                
関税法118条1項本文(第1の関税法違反の罪に係る覚せい剤及びMDMAで,いずれも犯人以外の者の所有に係らないもの)
 
チャック付ポリ袋入り覚せい剤1袋について
                
覚せい剤取締法41条の8第1項本文(第3の罪に係る覚せい剤で,犯人が所持し,犯人以外の者の所有に係らないもの)
(量刑の理由)
1 本件は,判示のとおりの,大麻取締法違反,関税法違反及び覚せい剤取締法違反の各事案である。
2 まず,第1の大麻取締法違反,関税法違反の点についてみるに,被告人は,共犯者から依頼を受けるや,輸入した大麻を譲り受けることを期待して,安易にも犯行に加担したものである。本件以前にも断続的に大麻を使用していたことにかんがみても,大麻に対する親和性が一因となっていることは否めず,その動機に酌量の余地は見出せない。本件犯行において,被告人の担った役割は,安全に密輸できるような大麻等の受取り先を確保するというものであって、決して軽くない。輸入した大麻の量も210.7グラムと多量であり,かかる大麻を含む輸入禁制品がわが国に持ち込まれ,公共衛生が害される危険が生じている。
3 また,被告人は,第1の共犯者に促されるままに,それが覚せい剤を含めた違法薬物である可能性を十分承知しながら,実に安易にも,第2,第3の覚せい剤の使用,所持の各犯行に及んだものであり,前示の大麻への親和性にかんがみても,この種違法薬物事犯に対する被告人の規範意識は乏しい。 
4 加えて,被告人は,前刑の執行猶予中であり厳に自重自戒すべき立場にあるにもかかわらず,これを顧みることなく各犯行に及んだことや,近年,わが国において,違法薬物はこれを使用する個人はもとより社会全体に害悪を及ぼすものとして,その流布・拡散が深刻な社会問題となっており,社会全体として,違法薬物の撲滅に取り組んでいる状況にあることに照らしても,被告人に対しては,厳しい責任を問う必要がある。
5 他方,第1の公訴事実中,覚せい剤取締法並びに麻薬及び向精神薬取締法上の覚せい剤及びMDMAの各輸入の点については無罪であって,その罪責を問えないこと,起訴対象となった本件小包自体は通関検査中に押収され,大麻等の害悪が本邦内に拡散することは未然に防止されたこと,被告人は,共犯者の指示によりこれに追随して第1の犯行に及んだものとみられ,その態様はなお従属的なものと認められること,被告人が本件各犯行に及んだことについて素直な反省の弁を述べると共に,第1の犯行の共犯者とは交際を絶つ旨誓約し,今後は妻の実家で農業に従事することを希望していること,被告人の妻が情状証人として出廷し,社会復帰後の被告人を監督する旨誓っていること,被告人にはこのような妻と本件勾留中に両者間に生まれた生後間もない子供がいること,被告人に薬物事犯の前科はなく,被告人は現在23歳の若者であって将来のある身であることなど,被告人のために酌むことのできる事情も認められる。
6 そこで,以上の諸事情を総合考慮して,被告人を主文の刑に処するのが相当であると判断した
(検察官長田守弘,私選弁護人田中雅敏各出席)
(求刑―懲役3年,覚せい剤,大麻及びMDMAの没収)
平成15年9月29日
福岡地方裁判所第1刑事部
裁判長裁判官 谷敏行 裁判官 荻原弘子 裁判官 石井義規

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