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逮捕、勾留とは

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このページはこのような方を対象としています。

  • JR鹿児島本線の羽犬塚駅で、近くにいた人と喧嘩になりケガを負わせてしまい、逮捕されました。これから八女市本町福岡地方検察庁八女支部・八女区検察庁で取り調べを受け、勾留が検討されると聞いています。早く釈放されたいのですがどうしたらいいでしょうか。
  • 息子が、西鉄大牟田線の大橋駅がある福岡市南区塩原のATMで詐欺の被害金を引き出そうとしたところを逮捕されました。南警察署に勾留されていますが、接見禁止がついて、ずっと面会できません。息子はいつ釈放されるかわからず心配です。
  • 夫が、福岡市営地下鉄空港線の中州川端駅で痴漢をしたとして、福岡市博多区石城町の博多臨港警察署に逮捕されました。子どもも小さいので、夫に前科がついたり、会社を懲戒解雇されることは避けたいです。逮捕されたら前科がついてしまいますか。

Q1. 逮捕って何?

逮捕とは、捜査機関が容疑者(法律上は被疑者といいます)を捕まえて身体を拘束することをいいます。通常、犯罪を行って身体を拘束されるときは最初に逮捕されます。

逮捕には3つの種類があります。

①通常逮捕

警察が被疑者を逮捕したいとき裁判官に逮捕状を請求し、裁判官から発付された逮捕状を持って逮捕する場合です。逮捕状を発付するのが裁判官である理由は、逮捕される人の不利益が大きいため、警察だけの判断で逮捕するのではなく、本当に逮捕する理由や必要があるのかを裁判官にも判断させるためです。このように捜査機関の強制処分について裁判官の令状が必要になることを令状主義といい、捜索などの場合にも令状が必要となります。

②現行犯逮捕

犯罪を行ったときに、その場で被疑者を逮捕する場合、あるいはこれに準ずるような場合の逮捕です。これは警察官などでない、一般人でも可能です。犯人と犯罪が明らかであり、急速を要するため逮捕状は不要です。

③緊急逮捕

逮捕状もないし、現行犯でもないけれど、一定の条件がある場合に逮捕する緊急逮捕というものもあります。緊急逮捕の場合、逮捕後に令状を求めることになります。緊急逮捕は、一定の重さの罪を犯したと思われる充分な理由があり、緊急に逮捕する必要がある場合に認められます。たとえば1週間前に強盗事件があり、警察官がその犯人をたまたま道で発見したが、逮捕令状はないという場合などになされます。

Q2. 勾留って何?

勾留とは、逮捕よりも長期間の身体拘束をいいます。逮捕されるとその後勾留されるかが問題になります。

逮捕は最長でも3日間しか被疑者を拘束することができないと法律で決められています。そこでそれ以上捜査機関が被疑者を拘束しようとする場合は勾留の手続きを取らなければなりません。裁判所の勾留決定がなされると被疑者は10日間拘束されることになります。さらに捜査の必要があれば勾留期間は最大で10日間延長されます。

通常、この最大23日間の期間に、検察官は被疑者を起訴するかどうかを決めることになります。そして起訴されて普通の裁判になると、さらに勾留が続きます。他方で不起訴や略式罰金になる場合は、その時点で釈放されます。

Q3. 逮捕と勾留の違いは?

逮捕と勾留では、期間、手続きなどの違いがあります。
まず逮捕は、最大で3日間拘束されるのに対し、勾留はまず10日間拘束され、延長されればさらに10日間拘束されます。
手続きの違いとしては、勾留するときには裁判官の勾留質問を受けるということがあります。したがって、逮捕の場合は、突然警察がやってきていきなり拘束されることもありますが、勾留の場合は裁判官にこちらの言い分を伝える機会があります。
また、通常警察は、逮捕中は家族や友人の面会を認めてくれませんが、勾留中は面会を禁止する処分がなされていない限り、被疑者と面会することができます。

なお、ここで説明した勾留は起訴前のもの(起訴前勾留)であり、起訴された後の勾留(起訴後勾留)は、2か月間拘束され、その後1か月ごとに更新されることになります。また起訴前勾留では保釈(お金を預けて釈放してもらうこと)は認められませんが、起訴後勾留では保釈が認められています。

Q4. 不当な逮捕はどうやって闘う?

逮捕に対する直接的な不服申し立て手続きはありません。したがって、その他の方法で争っていくことになります。

まず、勾留される段階で不当な逮捕であることを主張することができます。起訴前勾留は法律上逮捕が先行していなければならないとされており(逮捕前置主義)、これは逮捕の段階と勾留の段階で身体拘束することが正しいかどうか2重のチェックをするためです。このことから、逮捕が不当であれば逮捕前置主義の要件を満たさず、勾留は認められないと考えられます。具体的には、勾留請求をする検察官と、勾留決定をする裁判官に違法な逮捕であると主張し、勾留決定がされてしまった場合は、準抗告という不服申し立て手続きをしていくことになります。

また、公判になった段階で、違法収集証拠の排除を主張することもできます。刑事裁判では、証拠の押収等手続きに重大な違法がある場合、その証拠は裁判の証拠に使えないという判例があります。したがって、違法逮捕によって得られた自白などについて証拠として使えないことを、主張して争っていくこともできます。

Q5. 不当な勾留はどうやって闘う?

不当な勾留に対しては、準抗告という不服申し立て手続きができます。
起訴前勾留は1人の裁判官が決定しますが、準抗告を申し立てると3人の裁判官がもう一度その勾留決定が正しかったのか判断することになっています。ここで勾留決定の判断が間違っていたと判断されれば、被疑者は釈放されることになります。

また、勾留後に事情の変更があった場合には、勾留の取り消しや勾留の執行停止を請求することができます。例えば、被害者と示談して許してもらえた場合に、これ以上勾留する必要がないと勾留取り消し請求をしたり、近親者の葬儀がある場合に、勾留の執行停止を請求して一時的に釈放してもらうよう請求することができます。

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