このページはこのような方を対象としています。
- 西鉄大牟田線の大橋駅がある福岡市南区塩原にある会社で経理を担当する娘が、会社のお金を横領していたとして南警察署に逮捕され、起訴されました。長い間留置場に入れられているので心配です。保釈してほしいのですが保釈金は幾らくらい必要ですか。
- 夫が、福岡市営地下鉄空港線の中州川端駅近くの路上で女性に抱き着き、強制わいせつの容疑で福岡市博多区石城町の博多臨港警察署に逮捕、勾留され、起訴されました。こんな夫ですが、小さい子どものために保釈で出てきてほしいのですが、保釈金を用意できるか心配です。
- 息子が、JR鹿児島本線の戸畑駅がある北九州市戸畑区汐井町で、詐欺の容疑で戸畑警察署に逮捕、勾留され、起訴されました。詐欺の場合は保釈が認められるのは難しいと聞いていますが、認められるとしたら保釈金は幾らになりますか。
保釈金はどれくらい?
保釈金の金額は、事件の複雑さや、被告人の資力などによって異なります。ここでは、保釈金の金額の目安についてお話したいと思います。
1 ポイント①:一般的な事件で、150万円~200万円
保釈金の金額で一番多いのは、150万円か200万円です。単純な大麻所持事件では、150万円と決定されることが最も多く、覚せい剤事件でも最近は150万円の決定が出ることがよくあります(覚せい剤事件でも使用と所持の両方で起訴されていれば、200万円となるケースが多いように感じます。)。
その他、例えば、強制わいせつの痴漢事件では、勾留決定自体が認められないケースがある反面、一度勾留されて起訴されてしまうと、保釈金は200万円と決定されるのが一般的です。
2 ポイント②:少し複雑な事件で、300万円前後
複数人で大麻を栽培していた、複数人で被害額が比較的小さな詐欺をしていた、飲酒運転で相手に重傷を負わせてそのまま逃走したなどの少し複雑な事件では、保釈金は300万円前後となる場合が多いです。
もっとも、保釈金が300万円を超える事件は、弊所で受任する事件の中でも(感覚で)1割未満です。保釈金としては、一般的には、多くても300万円と見積もっておいてもらえれば問題ないと思います。
3 ポイント③:大型経済犯罪では、1000万円を優に超えることも
犯罪で巨額の資産を築いていたなど、少ない保釈金では被告人に対する逃亡予防の心理的負担にならない、と考えられるような事件では、1000万円を優に超える保釈金が決定される場合があります。
また、実刑判決後に控訴を申し立て、控訴審で保釈される場合などは、当初の保釈金に1割~2割程度の金額を上乗せして納入するのが一般的です。
保釈金の具体例
保釈金 100万円 | 結審後の傷害事件 |
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保釈金 120万円 | 大麻栽培 |
保釈金 150万円 | 大麻所持、酒気帯び運転の人身事故、死亡事故など |
保釈金 180万円 | 痴漢の強制わいせつ事件 |
保釈金 200万円 | 覚せい剤所持・使用、死亡事故、痴漢の強制わいせつ事件など |
保釈金 240万円 | 大麻栽培の複数幇助事件 |
保釈金 300万円 | 死亡事故の控訴審、被害者多数の詐欺事件、危険運転致傷事故など |
保釈金 350万円 | 飲酒運転の人身事故の控訴審 |
保釈金 450万円 | 営利目的大麻栽培及び薬物多量所持の共犯事件 |
保釈金 800万円 | 被害額億を超える詐欺事件 |
保釈金1000万円 | 被害額億を超える詐欺事件の控訴審 |