このページはこのような方を対象としています。
- 大学生の息子が、西鉄大牟田線の福岡(天神)駅近くで職務質問され、鞄から大麻が見つかりました。福岡市中央区天神の中央警察署に逮捕・勾留された後、起訴されました。学校の授業の関係で、釈放してほしいです。保釈してもらうことはできますか。
- 夫がJR筑肥線の筑前前原駅がある糸島市前原中央界隈で、覚せい剤を持っていた容疑で糸島警察署に逮捕・勾留され、起訴されました。保釈されて出てきてほしいのですが、保釈金がいくらかかるのか分からず不安です。
- 会社員の息子が、JR鹿児島本線の黒崎駅で強制わいせつをしたとして、北九州市八幡西区東王子の八幡西警察署に逮捕・勾留され、起訴されました。被害者と示談してもらえれば保釈されやすくなると聞きました。示談して保釈してもらうことはできますか。
Q1. 「保釈」って何?
保釈とは、お金を裁判所に預けることで釈放される制度です。
逃亡や証拠隠滅など一定の場合には、保釈金を没取される可能性がありますが、それがなければ最終的には保釈金は返ってきます。保釈は、このようにお金を預けさせることで逃亡や罪証隠滅を防止する制度です。
保釈は逮捕された時点では請求することができず、起訴された時点から請求することができます。一般的に否認事件の場合は保釈が認められる可能性が低くなります。
保釈には、権利保釈、裁量保釈、義務保釈の3種類があります。
裁判所は保釈の請求があった場合、原則として保釈を許されなければなりません。この場合の保釈を権利保釈といいます。例外として、罪証隠滅など一定の事由(権利保釈除外事由)があれば、裁判所は保釈請求を却下できるとされています。
権利保釈除外事由があった場合にも、裁判所が保釈しても良いと認めることができます。この場合の保釈を裁量保釈といいます。
また、勾留が不当に長くなった場合には、裁判所は保釈を認めなければならず、これを義務的保釈といいます。
Q2. 保釈された場合のメリットは?
釈放されます。
家に帰れますし、仕事や学校に行くこともできます。一定の条件はありますが、基本的に自由に行動できます。仕事を続けられる可能性も高まりますし、その間働ければ経済的な問題も軽減します。
また、拘束されたままの場合は、留置場や拘置所でガラス越しに弁護士と裁判の打合せをすることになりますが、保釈されていれば裁判に向けた打合せも弁護士と自由にすることができます。
保釈金は裁判が終わると手元に戻ってきます。
Q3. 保釈を請求してから認められるまでの具体的な日程や手続きは?
保釈が認められる場合、通常は休日を除く3日程度で釈放されます。
まず、起訴されたら保釈の請求ができますので、弁護士から検察官に事前に問い合わせて起訴予定か、起訴するとしていつする予定かを確認しておきます。
通常は勾留の満期日や勾留延長の満期日に起訴されます。そこで起訴される日に裁判所に連絡して起訴されたことが確認できれば、あらかじめ用意しておいた保釈請求書を提出して保釈請求を行います。
裁判官は保釈請求があった場合検察官に意見を聞いたうえで保釈を認めるか判断します。保釈を認める場合、その旨の決定をし、弁護士等が保釈金を裁判所に納めると釈放されるということになります。ここまでが通常3日程度で行われます。
Q4. 保釈が認められるケースは?
執行猶予が見込まれる事件や自白事件などは、保釈が認められる可能性が高まります。他方で実刑(刑務所に行ってしまうこと)が見込まれる事件や否認事件については、保釈が認められない可能性が高まります。
統計上、保釈が認められる件数は、保釈請求した事件のうち半分くらいになっています。
Q5. 保釈金の相場は?保釈金は戻ってくるの?
保釈金の相場は150万円~200万円です。保釈金は裁判の終了後戻ってきます(逃亡や罪証隠滅などを行った場合、没取される可能性があります)。
保釈金の額は法律で「被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額でなければならない」とされており、被害額が巨額な事件や被告人が高額な資産を持っている場合などには高額化することになります。過去の事件では20億円のものもあります。
ただ、150万円や200万円でもこれを納付することは大変です。保釈が認められたとしても、お金が払えないという理由で保釈請求をしないという人もいるものと思われます。
なお、日本保釈支援協会というところから保釈金を借りる方法があります。この場合一定の手数料を払わなければなりません。